東京五輪ボート会場宮城移転の「9つの問題点」に地元民が答えるよ
こんにちは、長沼のほとりで育ったるびこです。
東京五輪ボート会場について盛り上がってますね。私はその候補地である長沼のある宮城県登米市の出身でございます。
こちらのニュース記事によると、
ボート・カヌーの競技会場として東京都の調査チームが変更案を示し、宮城県の村井知事が前向きな考えを示した宮城県登米市の長沼ボート場について、組織委員会は9つの問題点を指摘しています。
とされています。
それぞれの問題点について、地元民の視点から考えてみたいと思います。ちなみに私の立場はどちらかと言うと移転反対寄りです。
ちなみに、長沼ってどんなところかは下の記事にまとめてあります。
目次
- 問題点1:選手の宿泊施設不足、利便性に難あり
- 問題点2:バリアフリーに難あり
- 問題点3:仙台から遠い、最寄駅にエレベーターなし
- 問題点4:斜面が多い、道幅狭い、機材置けない
- 問題点5:電力や通信インフラの整備不足
- 問題点6:観客や関係者の宿泊施設不足
- 問題点7:(選手に対して)空港が遠い、他競技と別会場に
- 問題点8:バリアフリー化、インフラ整備、宿泊施設建設でコストダウンにならない
- 問題点9:費用をかけてもレガシー遺産として残らない
- 今日のぐうの音
問題点1:選手の宿泊施設不足、利便性に難あり
これはごもっともです。ぐうの音も出ませんねえ。選手は仙台に泊まってもらうわけにもいかないでしょうし。田舎なので夜は虫の声でうるさいし、蚊も出るし。
宮城県登米市に気持ちよく宿泊してもらうというのは正直難しいと思います。
問題点2:バリアフリーに難あり
これは主にパラリンピックに向けて、という意味だそうです。確かに、仙台に出ると、建物の新しさ、バリアフリー化の進行に驚きました。
田舎なのでお年寄りも多いですが、それはあくまで「相対的に」の話で、お年寄りの絶対数は都会のほうが多いですからね、仕方ないのかもしれません。
バリアフリー化の工事は必須だと思います。コストダウンのはずが建築費はやっぱりかかりますね。
地元の施設が新しくなってくれたらうれしいですけどね。
問題点3:仙台から遠い、最寄駅にエレベーターなし
仙台からは遠いです。車で2時間かかります。仙台の人も半分くらいは登米市を知らなかったんじゃないかな、私の体感では。そのくらい遠いです。詳しくはこちらの記事で
そして、最寄り駅の「くりこま高原」には確かにエレベーターがないんですよ。正確には一部ない。エスカレーターや階段を避けて通れないということです。確かにこれは問題ですよね。言われて気づきました。
でも、小さい駅なので改修工事も簡単だし、これは簡単に解決できそうです。五輪にかかわらず、エレベーターを設置して貰いたいですね。
問題点4:斜面が多い、道幅狭い、機材置けない
うん。平地は駐車場だけと言っても過言ではない。
でも、それは沼があってそこが凹んでる以上当たり前だと思うんですが、他の会場はどうなんでしょうか。
周辺の道は狭いですよね。片側1車線。これが本当に怖いんですよね。普段渋滞なんてめったにしないので(長沼花火大会の日くらい)、信号だってほとんどないし、地元の人の生活に影響は避けられません。
大きな機材を運ぶ必要があるのなら、きっと大変だと思います。
問題点5:電力や通信インフラの整備不足
この辺はどの程度のものを要求されているのかがわからないので、ただの市民にはなんとも言えませんね。
ちなみに、電波はここ数年で3本入るようになってきた感じです、ええ。
問題点6:観客や関係者の宿泊施設不足
登米市に泊まろうとは思わないほうがいいですね。仙台や古川、一関に泊まることになるのではないでしょうか。まあ、不便。みんな仙台に泊まるだろうから、一関が穴場かもしれません。ついでに世界遺産「平泉」観光はいかが?
やはり宿泊施設問題に関してはぐうの音も出ません。
問題点7:(選手に対して)空港が遠い、他競技と別会場に
海外の選手が利用すると思われる成田空港からは遠いです。ぐうの音も出ません。
また、スラロームという競技は葛西臨海公園で行うそうです。そこを往復する羽目になる人には同情するばかり。お気の毒に。スケジュールを工夫するなどうまいこといかないものですかねえ。
問題点8:バリアフリー化、インフラ整備、宿泊施設建設でコストダウンにならない
もし長沼で開催するなら、いろいろ直さないといけないところはありそうです。しかもこういうのって芋づる式に出てくるので、きっとまだ氷山の一角ですよ。
でも、それを見て見ぬふりしていい顔するので、政治家って嫌われるんでしょうね。でもきっと彼らもそうするしかないんだと思います。私が同じ立場でも、いい顔しないという選択はできないでしょう。
今や市販のパソコンで分子の運動ですら計算できるのに、建設費用すら正確に計算できないなんて不思議でしょうがないんですよね。人間が関わると再現性が著しく落ちるのかなあ。
問題点9:費用をかけてもレガシー遺産として残らない
レガシー【legacy】
遺産。先人の遺物。
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/248725/meaning/m0u/より
レガシー遺産って頭痛が痛いみたいですね。
まあ要は、五輪の後も価値のある施設として活用できるか、ってのが論点みたいです。
このニュースでは
宮城県の長沼の競技場は遠隔地にあるためさらに費用がかかり、レガシーとしての価値は疑問だ。
とされています。
他意があるのかはわかりませんが、この文章だけみると腹が立ちますね。宮城県登米市民の存在が無視されてませんか?地元の佐沼高校のボート部だって頑張ってますよ。
国体やインカレだって全国各地で行うし、スキーをするなら都心から離れた雪山に行かないとできませんよね。人口過密の都心に存在することにそこまでの意義があるのでしょうか?
登米市は仙台も、岩手県も山形県も秋田県も近いので、東北の人が遊びに来ることができる遺産として残れば十分価値はあると思います。
そりゃあ利用者人数は都心のほうが稼げるでしょうけど。
今日のぐうの音
私の個人的な意見では、田舎で静かな登米市が好きなので静かなままでいてほしいんですけどね。
東京五輪「ボート」宮城でできない9つの理由を組織委員が突きつけた! (2/3ページ) - スポーツ - SANSPO.COM(サンスポ)
このニュースによると、村井知事は整備費も都の見積もりよりかからないって言ってますし、荒れそう。しまいには東日本大震災の復興基金の一部をあてるなんておっしゃってます。
復興基金で五輪呼び込み → 経済効果うはうは → 東北が潤って更に復興!
ってロジックでしょうか。
でも、復興基金を使うのってなんか違う気がします。直接復興するわけじゃないし、なんか同情を買おうとしてるみたいだし。なら指定ごみ袋の値段を5倍にしてくれたほうがまし。
もちろん、私の個人的な意見なので賛成派の宮城県民の方もいらっしゃると思います。むしろマジョリティーなのかな?
最後に私が以前撮影した長沼の景色をどうぞ!
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